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祝!コルビュジェ世界遺産登録!

第二弾はサヴォア邸を取り上げます。

コルビュジェの世界観が分かるツアーに参加してみたい方

ツアーの詳細は ↓ をクリックして下さい。

ツアー ル・コルビュジエ5大作品を訪ねる

 

 

【パリ・アトモスフェールだけのお勧めポイント】

1. 今回世界遺産に登録された、ラ・ロッシュ・ジャンヌレ邸とサヴォア邸

そのどちらもガイド付きの入場見学1時間です。

日本語オーディオガイドのないコルビュジェ作品ですが

フランス政府公認ガイドライセンスを有するパリ・アトモスフェールのガイドが分かり易く解説します。

 

2. アクセスの悪い場所に点在する作品を、効率良くまわることが出来ます。

 

3. 期間限定!早い者勝ち

 

今回、世界遺産登録記念として、より多くの方にコルビュジェ作品を知って頂く為に

格安にてツアーを提供致します。

 

第一弾、『ラ・ロッシュ邸、ジャンヌレ邸』を見逃した方は

コルビュジェ 『ラ・ロッシュ邸、ジャンヌレ邸』の見方 を御覧ください。

 

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パリを離れ、電車とバスを乗り継ぎ、目指す先はパリ郊外ポワシー。

一時間ほどの小旅行。その先に突如現れる広大な敷地。

ずっと奥に進むとそこに 『サヴォア邸』はあります。

建設から100年近くの時が流れたとは思えない程の堂々とした存在感。

コルビュジェ建築を特徴付けているピロティのために

まるで宙に浮いているように見える白亜の建物が私たちを迎えます。

 

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コルビュジェ建築を代表する、近代建築の5原則、ドミノ・システム、建築的プロムナード

に関しては、コルビュジェブログの第一弾を御覧ください。

今回の 『サヴォア邸』 はコルビュジェが考える、『ピュリズム』(純粋主義)の完成形と言われます。

 

簡単にピュリズムを説明するために、ピカソの有名作品、例えば『泣く女』で構いませんから

イメージしてみて下さい。ピカソたちによるキュビズムという芸術運動においては、あらゆる物の形が消滅し

それが返って作品を複雑にしています。そして、この運動への反発がピュリズムです。

もう一度形を取り戻し、更にその形は縦や横の線によってより単純化し、

そして、それらの線が織りなす『光』と『影』で美は表現されます。

色は、キュビズムの芸術家が好んだ暗く重い色ではなく、パステルの明るい柔らかなものが好まれました。

 

ピュリズムの観点でゆっくりとサヴォワ邸を見学してみて下さい。

エントランスも、スロープを上がったその先も、ガラス窓に縦と横の線が配され

更に、そこへ差し込む日の光が作り出す新たな縦と横の線、それぞれが絶妙なハーモニーを奏で

見事なまでの『光』と『影』を作り出しています。

そして、壁に使われる色。ピンクやブルーといった明るい色が真っ白な壁にアクセントを付けています。

 

世の中に美しいものは数知れずあります。

しかし、あるものがときに何百年、何千年といった時間が経った今でも、私たち現代人の心を虜にする場合

そんな作品には必ず作成者のその作品に対する熱い思いが込められています。

それを紐解き、理解することで、私たちは『見るだけ』の観賞から一歩奥へと進むことが出来るのです。

 

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サヴォワ邸は、その名前の通り、保険会社を経営する資産家サヴォア夫婦の注文。

週末にパリを離れて過ごすためのヴィラ、つまり週末用の別宅です。

この建築にコルビュジェを指名したのは妻ユジェニーの方で、

友人であるチャーチ夫妻の邸宅を大変気に入り、設計を担当していたコルビュジェに依頼した

という経緯がありました。

 

1931年に竣工となったこの家、

妻の希望をまとめ上げ、自由で解放感溢れる家の設計が始まったのですが

まだまだ保守的な時代です。ユジェニーの望む機能性とコルビュジェの提案する

モダニズムを融合させるのは簡単なことではなかったようです。

 

設計が終わって工事の段階になっても問題は続きます。

この時代では最新の建築素材であったコンクリートが、フランスの冬の寒さのために

凍り付いてしまうというハプニングもあり、更には水漏れがひどく建設が終了してからも

サヴォア夫妻は水漏れの苦情を訴えていました。それ以外にも、ラジエーターの数が少なく

冬は寒くてすごせないなど、色々と問題を含んだ家となり、

コルビュジェは、Monsieur raté (失敗男) などと揶揄されもしました。

どんな分野でも最初に何かを始める者には失敗が付きものというところでしょうか。

 

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さあ、緑の小道を入り奥に白い建物が見えて来たら、右側からピロティを回って入口を目指しましょう。

このピロティは夫妻が乗る車をまわすために作られました。

このお陰で夫妻を入口で降ろした車はUターンなしにそのまま回って車庫へ行けましたし

夫妻は例え雨の日であっても濡れずに済んだというわけです。

時は、産業革命の産物である機械が人々を魅了していた、そんな時代でした。

その為、リネン室には洗濯機の前段階のもの、キッチンには冷蔵庫をそれぞれ置くための

スペースも確保されました。要はこの当時のお金持ちたちにとって

車や電化製品はステイタスだったんですね。

 

エントランスは縦と横のラインが強調され、コルビュジェの特徴であるスロープと螺旋階段があります。

近代建築の5原則、ドミノ・システム、建築的プロムナード、ピュリズム、

一つずつ確認しながら歩いてみて下さい。

こちらの建物で特に印象的なのが、夫婦の寝室でしょう。

 

青にグレーのタイル張りのカウチとカーテンが寝室と浴室との仕切りになっています。

寝室と浴室を区切るカウチに裸で寝そべる、なんとも官能的だと思いませんか。

そして、この形。コルビュジェファンの方はもうお分かりでしょう。

この家が竣工される2年前、コルビュジェがサロンに発表した長椅子LC4と全く同じ形なんです。

 

コルビュジェ建築の大きな特徴の一つは、開放的な空間。その為に壁による仕切りを無くしました。

代わりに使われたのが、コルビュジェの場合可動式の家具だったのです。

その為に幾つもの家具がデザインされましたが、それが実際に使われるのはもう少しあと

例えば、コルビュジェのアトリエ兼住居では、この考えの完成形を見ることが出来ます。

つまり、この家で作られた浴槽は非常に実験的試みだったのです。

 

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では、実際注文主であるサヴォア夫妻の評価はどうだったのでしょうか?

建設経緯を見て頂いて気付いた方もいるでしょう。モダニズム最先端であったこの家

しかしお世辞にも住みやすいとは言い難かったようで、更には戦争の影響もあり一家はこの家から

段々と離れてしまいました。一時は取り壊しの案が出るほどに荒れ果てたのですが

当時モダニズムの最先端であった遠くアメリカから反対運動の波が広がっていき

建物は文化財として保存、そして今回の世界遺産登録となったわけです。

 

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取り壊しの危機を乗り越え現存するコルビュジェ建築、皆さんの心には何を訴えるでしょうか。

『見るだけ』の観賞から一歩奥へと進む為に、まずはその外観の美しさを眺め

この家にかけたコルビュジェの思いをどうか感じて下さい。

 

Kate,

 

La villa Savoye (ヴィラ・サヴォア 又は サヴォア邸)

82 Rue de Villiers, 78300 Poissy

RER (郊外線) A線でポワシー下車、その後ポワシー市バスの50番 Villa Savoye駅下車

 

入館料:7.5€ (18歳未満は無料)

 

開館時間:

1月〜4月 : 火曜日-日曜日10h-17h

5月〜8月 : 火曜日-日曜日10h-18h

9月〜12月 : 火曜日-日曜日10h-17h

 

Villa Savoye ホームページ (仏・英)

コルビュジエ財団ホームページ (仏・英)

関連記事:コルビュジェ 『ラ・ロッシュ邸、ジャンヌレ邸』の見方

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