Maison La Roche
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祝!コルビュジェ世界遺産登録!

今回は、世界遺産登録記念としてコルビュジェの世界観が分かるプランを御用意致しました。

ツアーの詳細は ↓ をクリックして下さい。

ツアー ル・コルビュジエ5大作品を訪ねる

 

【パリ・アトモスフェールだけのお勧めポイント】

1. 今回世界遺産に登録された、ラ・ロッシュ・ジャンヌレ邸とサヴォワ邸

そのどちらもガイド付きの入場見学1時間です。

日本語オーディオガイドのないコルビュジェ作品ですが

フランス政府公認ガイドライセンスを有するパリ・アトモスフェールのガイドが分かり易く解説します。

 

2. アクセスの悪い場所に点在する作品を、効率良くまわることが出来ます。

 

3. 期間限定!早い者勝ち

今回、世界遺産登録記念として、より多くの方にコルビュジェ作品を知って頂く為に

格安にてツアーを提供致します。

 

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パリ16区、住宅街の小道の奥にひっそりと佇むコルビュジエ初期作品『ラ・ロッシュ邸・ジャンヌレ邸』。

あまりにも周囲の建物に馴染んでいるため、思わず通り過ぎてしまいそうですが

ピロティ(1階部分が柱だけの空間)の存在がコルビュジェ建築であることを示しています。

 

コルビュジエと友人関係にあったスイスの銀行家ラウル・ラ・ロッシュ (Raoul La Roche) 、

コルビュジエの実兄にあたる音楽家アルベール・ジャンヌレ (Albert Jeanneret)、

2人の依頼主により1923年から2年の歳月をかけ建てられた、今で言う2世帯住宅です。

 

コルビュジエは、1920年代から30年代にかけ近代建築の5原則

1. ピロティ

2. 屋上庭園

3. 水平連続窓

4. 自由な平面構成

5. 自由なファサード

 

を発展させて行きますが、このような構築を可能にしたのが、

1914年、彼が考案した『ドミノ・システム』

つまり、それまで壁によって支えられていた建物を、柱で支えるという発想の転換により

構造のための壁を意識せず、自由に部屋を配置できるようになったのです。

 

と聞けば難しいですが・・・

要は、仕切り壁を取り払った広いオープンスペースと、壁全面に連続する大きな窓ガラスを使うことで

外から差し込む明るい光に包まれる空間とを実現したわけです。

今では誰もが理想とする家のデザインですよね。

 

また、ピロティは様々な役割を果たしています。

一段上げることによって、まるで宙に浮いている様な視覚的効果を得られます。

そして、隣接して家が立ち並ぶ中で一階部分を開放することで

そこを庭として利用出来たのです。敷地面積の狭い家屋には是非取り入れたい発想ですね。

 

この近代建築の5原則が『ラ・ロッシュ邸』では高い完成度で実現されています。

5原則と照らし合わせながら見学すると、もっとコルビュジエ建築を身近に感じ、より楽しめるはずです。

 

この5原則以外にコルビュジェ建築を特徴付けている一つが

『建築的プロムナード』 という考え。

う~ん、これはまた難解そうですが。

 

イメージして下さい。吹き抜けの明るいエントランスがあって、右と左に階段があります。

左の階段には明るい光が差し、逆に右の階段は暗くてひっそりとしています。

あなたならばどちらへ進みますか?

そう、これこそが建築的プロムナードのスタート。

 

光に誘われて階段を登った先、そこは当時ラ・ロッシュ氏のプライベート美術館として

週に2回、一般に公開されていました。

ピカソを代表とする当時の流行画家たちの作品を多く所蔵し、大変人気があったようです。

そして、暗くひっそりとした階段の先はプライベートルームでした。

この様に光の明暗を上手く利用して、自然と人々が美術館の方へ誘導されるように計算されていたのです。

 

また、『建築的プロムナード』では静止した状態では無く、

実際に歩く事によって建物を体感できる事を視野に入れ作られました。

 

これも言葉ではイメージが難しいですね。

日本の一般的家屋を想像して下さい。もし2階へ上がる為に階段があったらどうでしょうか?

階段からは景色が見えませんので、ただただ壁を見て階段を登っていたり

足元が気になって、つい下を見ながら登ったりしませんか?

 

でも、そうではなく回りを見渡せる視野を確保して上階へ上がれるようにしたい。

それを実現させたのが、室内に作られたスロープだったんです。

こうすることで、部屋に飾られた芸術品を見ながら足元も気にせず上階へ上がれたというわけです。

 

有名な話ですが、コルビュジェは建築家の資格を持っておらず正確には装飾芸術家でした。

彼自身のキャリアのスタートも建築ではなく画家でした。

コルビュジェにとっては、自分自身の設計した建物はイコール自分の芸術作品だったんでしょうね。

利便性などの問題などから賛否両論あるのは確かですが、建築家が家を建てる職人ではなく

芸術家として、その建造物が作品と見なされる、そんな時代の幕を開けたのです。

 

さて、最上階まであがると5原則の一つ、屋上庭園が広がっています。

この屋上庭園から隣の『ジャンヌレ邸』にもアクセス可能です。

日照時間の短いフランスで、太陽が顔を出せばこの屋上で日光浴を楽しんでいたのです。

 

約100年経った今でも全く色褪せないコルビュジェデザイン。

コルビュジェは多くの人々を魅了し、現在の建築にも多大な影響を与えました。

建築に対する自身のポリシーを純粋に持ち続けたコルビュジエ。

彼の作品が今でも支持されるのは納得です。

 

Kate, & Miranda

 

Les Maisons La Roche et Jeanneret (ラ・ロッシュ邸、ジャンヌレ邸)

8-10 Square du Dr Blanche, 75016 Paris

01 42 88 41 53

メトロ : Jasmin (9番・黄土色の線) から徒歩10分

 

ラ・ロッシュ邸

月曜日:13h30m-18h

火曜日-土曜日:10h-18h

日曜日:休館

 

ジャンヌレ邸

現在はコルビュジェ財団の事務所として使われておりますので内部見学は出来ません。

 

コルビュジエ財団ホームページ (仏・英)